切れ端














目が覚めると、天井のしみが少し大きくなっている気がした。外はごうごうと風が渦を巻いており、建物を吹きぬける風はその構造の隅から隅までをかき回し、壁から何かを削り落としているようだ。共鳴音が振動を伴って床を這ってくる。時折強く叩かれる窓は、まるでサッシから逃げ出そうとしているようだった。
そしてその向こうには灰色の、空と、灰色の光。そして、


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